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ギリシャ問題に学ぼう:ASEAN共同体におけるカンボジアの課題

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先日、「ギリシャ問題に学ぼう:大国と小国の駆け引き!カンボジアの未来は!?」と題して、EU内のドイツとギリシャの立場をご紹介した上で、カンボジアとギリシャの類似点を上げさせて頂きました。

昨日は今日の記事を書く為に「カンボジア目線で語るASEAN経済共同体 (AEC) について」ご説明し、ギリシャ問題から少し脱線してしまいましたが、今日こそはEUとASEAN共同体(AEC)の違いをご紹介しながら、カンボジアがギリシャの二の舞にならない為に進むべき道を考えてみたいと思います。

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先日の記事でもお話しましたが、ギリシャとカンボジアには3つの類似点があります。

・両国共に主な産業が「農業」と「観光」である
・どちらも「機械」や「自動車」は輸入に頼る国である
・EU、AEC内での他加入国と比べ、共に弱小国である

しかし、この類似点から直ちに「カンボジアがギリシャと同じ道をたどる」と言っているわけではありません。

 

そもそも市場が成熟したEUに所属するギリシャと、これから発展するといわれているASEANに所属するカンボジアでは、その条件は大きく違います。

2014年の経済成長率にしても、ギリシャが0.77%だったのに対しカンボジアは6.97%。人口もギリシャは減少傾向ですが、カンボジアはまだまだ増加が続きます。

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出典:世界経済のネタ帳

この経済成長率と人口増加だけとってみても、カンボジアがギリシャと違うのは一目瞭然です。

ただ昨日も申し上げた通り、ASEANの中で弱小国であるカンボジアにとっては、EUで同じような立場にあるギリシャの現状を無視出来ません。

 

EUとASEAN共同体 (AEC) の違い

EUと比較されることの多いAECですが、大きな違いは以下の3つです。

  1. 協力範囲が限定的
  2. ユーロのような統一通貨は作らない
  3. 人の動きは熟練労働者に限定

協力範囲が限定的

EU法という新たな法律を作り、金融政策も結合するなど、より緊密に連携するEUに対し、AECではその連携を経済協力に的を絞っています。

EUは国を超越した組織、いわゆる「超国家機構」です。加盟国とその国民を直接拘束する決定を行い、決定を実施するための具体的な内部機関を持っています。各国から主権の一部を譲り受けた組織であるEUの法律は、各国が制定する法律よりも強い強制力を持ちます。

それに対してAECは、ASEAN首脳会談で決定した事項にも法的強制力は一切ありません。連携も経済協力に的を絞り、そのスタンスもあくまで協力を呼びかける、いわば口約束のようなものです。また安全保障に関しても、議会や通常の防衛協力に留まっています。

ユーロのような統一通貨は作らない

上記の組織形態の違いの最たる例が、共通通貨の有無です。そしてAECが統一通貨を作らないことは、ギリシャの例を考えてもカンボジアにとってはメリットが大きいでしょう。

単一通貨を作ると金融政策などもおのずと画一的にせざる得ませんから、ASEANで力を持つインドネシアやタイなどの主導権がより強まることとなり、カンボジアがギリシャの二の舞になる可能性だってありえます。

人の動きは熟練労働者に限定

EUでは域内の人の動きは原則自由なのに対し、AECでは熟練労働者に限定されています。熟練労働者とは専門性の高い技能を有した労働者のことで、具体的には医師、看護師、エンジニア、建築士、測量技師、会計士、観光専門家などのことを指します。

カンボジアではこのような専門的な人材は、教育環境が遅れからなかなか育ちにくく、不足しています。不足しているからこそ他国から来てもらいやすくなるのは良いことのように思えますが、実際にはそうならない可能性が高いです。

熟練労働者が働く国を選べるようになれば、より賃金の高い国へ行きたいと思うのが自然な流れ。カンボジアの賃金レベルはASEANの中でも低いので、ただでさえ少ないカンボジアの熟練労働者が、他国に流出してしまうことになりかねません。

 

AEC発足後のカンボジアの未来は?

ASEAN統合後の各国の経済効果について、三菱UFJ信託の資料がわかりやすくまとめてくれていました。

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出典:ASEAN ECONOMY NAVIGATION

こうして見ると、AECの経済効果は他国に比べて大きいです。

ただこれはGDP寄与率になりますから、そもそものGDPが低いカンボジアやベトナムの値が良くなるのはある意味当然ですので、楽観視は出来ません。

続いて主要国の注目点と経済への影響を一覧にしたのが以下の図です。

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出典:ASEAN ECONOMY NAVIGATION

この票の注目点にある2つ目「南北経済回廊により物流環境が改善」はその通りだと思いますが、問題は1つ目の「人件費の安さを武器に、労働集約産業が発展」という項目です。

 

確かにカンボジアでは縫製業や農業など、安い労働力を活かした人の手による産業が中心となっています。しかし言い換えれば、まだ機械化が出来ず「資本集約産業」や「知識集約産業」に移行が出来ていないだけとも言えます。

加えて、カンボジアの「労働集約産業」の筆頭である縫製業にも、近年陰りが見え始めています。

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カンボジアでは縫製業の組合によるデモやストライキが頻繁に行われ、その度に工場の操業が停止することも珍しくありません。そして労使の協議の結果、最低賃金もこの数年で大幅に引き上げられています。

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このような状況では、縫製業の受注が減ってしまうのも無理はありませんよね。

実際にミャンマーやバングラデシュ等、カンボジアよりも賃金水準が低く人口が多い国に外国企業が注目することも多くなっているようです。

 

とはいえ、カンボジアは外資の参入が容易であることや、ドルで決済が出来ることなど、優位性はまだまだあります。最低賃金が上がっているといっても、それはカンボジアに限らず周辺国も同じなので、カンボジアの賃金は相対的にはまだまだ低水準といえます。

ですからASEAN統合後も、しばらくはカンボジアの経済は上向きだと思います。

ただその間にあぐらをかくこと無く、観光や労働集約型の産業だけに頼る今の構造を変えないと、遠く無い未来にギリシャのような危機が訪れ無いとも言い切れません。

インフラの整備だけでなく、法整備や不正体質からの脱却、新たな産業の構築など、取り組むべき課題は山積です。

 

AECはEUに比べ、今のところ東南アジア的「ゆるい共同体」というか、よく言えば柔軟性のある共同体です。ただ今のEUも、元は「欧州石炭鉄鋼共同体」から始まり、その後「欧州経済共同体 (EEC)」から「欧州共同体 (EC)」、そして今の「欧州共同 (EC)」へと発展してきました。そう考えるとAECも、今後どう変化するかわかりません。

EUでドイツが幅を利かせているように、AECでインドネシアやタイなどの強国に、より力が集約されることも十分に考えられます。

 

ASEANが統合して「モノ・ヒト・サービス」の行き来が容易になるということは、投資家にとって選択肢が増えるということ。

その中で選ばれ続けるカンボジアに成長してくれることを期待しています。

 

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今日もありがとうございました(^^)

 



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